石造物データベース検索システムの利用にあたって

一乗谷朝倉氏遺跡の石造物について

一乗谷朝倉氏遺跡では、戦国時代に造られた石塔・石仏を各所で見ることができます。博物館では、昭和47年から一乗谷に点在する石造物の調査を開始し、その後も発掘調査で出土した石造物を調査記録してきました。これらの調査成果は『一乗谷石造遺物調査報告書 I』等の報告書で公開してきましたが、調査総点数が5,000点以上となりその成果を順次更新し活用を図るために、ホームページで石造物調査情報を公開します。

石造物データベースについて

このデータベースでは、調査した石造物のうち銘文のあるものについて検索することができます。個々の石造物について、個別番号・所在地・種別・法量・銘文・年代・備考・画像などの情報を閲覧できます。また以下の検索方法、並べ替えが可能です。

  1. フリーワード検索
  2. 所在地・種別・年号・西暦からの一覧検索
  3. 一乗谷エリアマップからの検索
  4. 西暦・大きさによる並べ替え

石造物データ凡例

  • 個別番号は、石造物の所在地(発掘調査区)記号と石仏(遺物)番号に基づく。
  • 一乗谷の石造物の多くは破損しているため、種別の欄には、石造物の種類とともに石塔の場合は残存部位を示し、石仏の場合は像種を表記する。
  • 法量欄の総高は、残存する部分の大きさを表す。残存部位や欠損については、種別・備考欄に示す。また基礎部分が土中に埋まっている場合は計測不可のため「+α」で表記する。
  • 銘文は、摩耗風化によって判読不明となった欠字を □ で表し、字数不明の場合は [  ] 、石材が欠損している場合は / で表す。文字は原則として新字体を使用し、銘文のうち種字(梵字)は省略した。一部の銘文について改行を 』 、割書を 〈 〉 で示す。
  • 年代欄では和暦と西暦を示す。
  • 一乗谷エリアマップでは、石造物所在ポイントとともに、地籍図の地字・地割などを表示する。

石造物を守るためのお願い

  • 朝倉氏遺跡の石造物は、城下町一乗谷の歴史を物語る貴重な文化財です。現地で石造物をご覧になられる際には、動かしたり傷つけたりしないよう御注意ください。なお、データベースに示す所在地情報は調査時のもので、現在は現地で見ることのできないものもあります。
  • 苔むした石仏・石塔が並ぶ風景は朝倉氏遺跡の見どころの一つであり、このような石造物の残存・集積状況は、城下町の変遷を知る重要な手がかりともなっています。しかし一方で盗難の危険性や保存管理の問題にも直面しています。このデータベースを通して、石造物が遺跡にあることの意味と価値を知っていただき、石造物保存に御理解と御協力をいただければ幸いです。