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36 復原町並 紺屋(こんや)

ここは、町並立体復原地区 紺屋(こんや)の建物です。この屋敷は、正面幅が約6m、当時の単位で20尺、隣との境として溝が見られ、井戸を持ち、裏庭に便所を配置するという、一乗谷の小規模屋敷の典型例といえるものです。そして、ここで注目されたのは、建物の中に、直径約90cm、高さ約90cmの大きな甕(かめ)を据え付けていたことでした。このことから、染め物(そめもの)を職業とする職人の住居と推定されました。建物は、正面2間(けん)半約4.7m、奥行き3間半約6.6mの規模ですが、その内部の多くは、甕の据付け場として用いられているため、床を持つ部屋部は狭く、一部屋となっています。正面及び背面の2間半を、ちょうど二つに分ける位置に少し大きめの礎石を配置していたことから、これが、屋根の中央の棟木(むなぎ)を支える柱と考えられました。柱には栗の木を、梁や板には松の木を用い、表面は、出土材(しゅつどざい)や他の資料に基づいて、当時の一般的な技術である手斧(ちょうな)や鎗鉋(やりがんな)で仕上げています。裏庭の便所は、屋根を茅葺(かやぶき)としました。 染料を入れた大きな甕を据付け、作業をするには、広い場を必要としました。そのため、日常のくらしの場は、切り詰められており、3畳の広さの板の間で、寝食すべてをまかなったものと思われます。染め物の液体は、温度管理が必要なため、甕は土の中に埋められています。藍染(あいぞめ)は、4個の甕が一つのセットとなっています。反対側の甕は、草木染(くさきぞめ)です。一乗谷では、こうした染め物を職業としたと考えられる、大きな甕を多数据え付けた屋敷もたくさん発見されています。